症状改善アプローチ
経緯
- 4か月前から厨房の仕事を始め、低いシンクでの作業で腰痛が起き、食器を掴む動作で左手親指が腱鞘炎からバネ指に移行し、それを庇ったことで右手首の腱鞘炎となる。
- 整形外科にて左バネ指はステロイド注射を打たれ、それでも改善しない場合は手術しかないと告げられる。
- 腰痛・右手首は整形外科でレントゲンに異常がないということで湿布のみの処置。
- 手術を何としても回避したいとのことで、来院既往のある当院を受診。
カウンセリング・状態
- 左前腕の筋緊張著明・左親指掌側に肥厚した腱を触知。
- 左親指は曲げる方に上手く力を入れることが出来ず、曲げられたとしてもその後に指が引っ掛かり、次に伸ばし辛くなる(いずれの状態も激痛が走る)。
- 腰部起立筋の左側が右側より筋緊張が強いことが著明。
- 腰は左側に立った状態で鈍重感があり、腰を前に曲げると同部位に痛みが出る。
- 右前腕に筋緊張が著明。
- 右手首は手を着く動作にて痛みが走り体重を掛けることが出来ない。
検査・治療アプローチ
- 体幹の捻じれがあり、左右上肢の長さが1㎝ほどの差がある
- 骨盤の捻じれがあり、左右の脚長差が2㎝ほどの差がある。
- 体全体としては体幹の捻じれを整えることと、左右の手の腱はそこの一極に負担がかからないよう、微細な関節の捻じれ腱の位置を調整する。
施術
妙見活法にて体幹の捻じれ、骨盤の捻じれを取ったのち、前腕から妙見活法でアプローチしつつ、「手指を握る+開く」の動作を数回行ってもらい骨格の位置、腱の位置を調整する。
施術後
- 検査時の骨格の捻じれは無くなり上肢・下肢共に長さが左右揃う。
- 力が入りづらかった左親指は、右手と同様に力が入るようになり、曲げ伸ばしの動きに僅かにクリック音が残存するも、動きのスムーズさは右手と同様になる。
- 痛くて体重の掛けられなかった右手首は全体重を載せても問題なくなる。
- 腰は前後の動作、じっと立ってる時の鈍重感いずれも症状がなくなる。
当院からのメッセージ
洗い物の動作は、長時間前傾にての動作行うことで腰に負担がかかるので、「低い台に片足を載せて作業することで腰の負担が激減させる」アドバイスとして、台の使用とその際の注意点を指導しました。
バネ指と腱鞘炎は、仕事の反復動作の過剰な負担によるものなので、まず自分で行うセルフケアの指導、違和感が発生した際は、我慢せずすぐ施術を行ったほうが良いことをアドバイスしました。
また、今回で支障なく使えるようになったので、今後手術の必要は一切必要ない旨をお伝えしたことで安心していただけました。