ストレートネックは、別名「スマホ首」と言われているほどスマホの使いすぎが原因で発症すると言われています。
ストレートネックは、姿勢が悪く見えるだけではなく、体のさまざまな症状を引き起こしてしまいます。
このストレートネック(スマホ首)と並行して気をつけたいのが自律神経の乱れです。
ストレートネックが原因で、首・頸椎周辺の筋肉が硬く緊張することで、自律神経が圧迫されてしまう可能性があります。
自律神経が乱れてしまうと、心身ともに日常生活に支障をきたしてしまいます。
そこで、今回はストレートネックのメカニズムと自律神経の関係についてご説明します。
また、ストレートネックが原因で起こる自律神経の乱れによる症状や改善方法もお伝えします。
最後までこの記事をお読みいただき、ストレートネックの根本的改善につなげてください。
Contents
ストレートネックと自律神経について
まずはストレートネックのメカニズムと、自律神経の関連性についてご説明します。
ストレートネックとは?
人間の首の骨(頸椎)には、本来緩やかなカーブ(頸椎アーチ)を描いており、頭の重みを分散してくれる働きがあります。
しかし、スマホの使いすぎや長時間の前傾した姿勢などが原因で、首のアーチが崩れてしまい、ストレートネックを引き起こします。
頚椎の理想的なカーブを失うと、首や頸椎周辺の筋肉の筋緊張に繋がります。
この筋肉の緊張状態が、血行不良や神経の圧迫につながり、その結果、体にさまざまな影響を及ぼします。
特に、ストレートネックで多い症状の一つが肩こりです。
首の周りの筋肉の緊張状態が、やがて血行不良を引き起こし、肩こりにつながります。
そのほか、首周辺の筋緊張によって引き起こされる症状として「自律神経の乱れ」による体の不調が挙げられます。
自律神経の乱れは肉体的症状だけではなく、精神的症状にも大きく関わってきます。
ストレートネックと自律神経の関係性
自律神経は、内臓や代謝、体温といった体の機能を24時間体制でコントロールする役割があります。
自律神経は2種類あり、心と体を活発にする交感神経と、逆に休ませる副交感神経があります。
2つの自律神経は、互いにバランスを取りながら、私たちの体を支えています。
しかし、ストレートネックが原因で筋肉が硬くなると同時に神経が圧迫されて、交感神経の働きが活発化します。
一方、副交感神経は働きを落としてしまい、体が休まることができません。
交感神経と副交感神経のバランスが崩れてひどくなると、自律神経失調症という原因不明の症状が身体に現れます。
またストレートネックにより、首の骨の1番上の部分にある脳幹と呼ばれる自律神経の中枢に影響を与えてしまいます。
脳幹には体温や睡眠の調整などがあり、体の生命機能として大切な部分です。
ストレートネックが引き金で首がゆがむことにより脳幹にストレスがかかり、自律神経を乱す大きな要因になります。
ストレートネックが引き起こす自律神経の症状
ストレートネックが原因で自律神経が正常に働かなくなると、次のような全身の不調がでることがあります。
- 疲労感や気分の落ち込み
- 不眠症
- アレルギー
- 病気
- めまい
- 便秘
それぞれの症状や具体的な病気について、確認していきましょう。
疲労感や気分の落ち込み
自律神経のバランスが崩れてしまうと、疲労が溜まりやすくなります。
自律神経の乱れは必要以上に体のエネルギーを使ってしまい、休みたいときになかなか休めなくなるため疲労が溜まります。
蓄積された疲れは、徐々に精神的にも影響がでてしまい、気分の落ち込みややる気がでないと言った症状につながります。
気分の落ち込みは複合的な原因が考えられますが、ストレートネックが一因として挙げられます。
不眠症
自律神経のバランスが乱れると、リラックスしたくても体が休めないため、睡眠にも悪影響を及ぼします。
健康な体の状態では、寝る時には身体を休める時間と認識してくれるため、自然に副交感神経が優位になります。
しかし、ストレートネックなどで疲労やストレスなどが溜まっていると、交感神経優位の状態が続いて睡眠の質を低下させてしまいます。
その結果、なかなか寝付けない状況に陥ったり、夜中に何度も目が覚めたりすることが、しばしば起こります。
アレルギー
アレルギー体質の人は、身体がゆがんで捻れていることが多く見られます。
ストレートネックなどで生じた骨盤や脊柱のゆがみは、脳脊髄液の流れを悪くします。
脳脊髄液は脊髄から仙骨にまで循環しており、自律神経とも深く関わっています。
また、自律神経が乱れてしまうと、鼻粘膜の血管収縮がうまくいかなくなります。
その結果、温度差などが原因となって起こる寒暖差アレルギーを感じやすくなります。
主に、鼻炎の症状でくしゃみや鼻水、鼻づまりを発症します。
病気
また、自律神経の乱れは、次のような病気にも発展する可能性があります。
- うつ病
- 糖尿病
- 甲状腺機能異常症
普段の生活習慣の影響で起きるこのような症状とストレートネックが関係している可能性があります。
めまい
ストレートネックで首の緊張状態が続いてひどくなると自律神経の乱れにより、めまいを伴うことがあります。
自律神経には、全身の血管を収縮させる交感神経がありますが、優位になりすぎると血管が収縮した状態が長く続きます。
すると、全身の血液が循環しにくくなり、血液を通って運ばれる酸素や栄養が全身に行き渡らなくなります。
やがて酸素不足は各器官の働きを低下させていき、めまいも全身の酸素不足による不調の一つとして引き起こされてしまいます。
便秘
ストレートネックが原因で筋肉の緊張やストレスを感じてしまうと、腸の働きが低下してしまい便秘を引き起こします。
筋肉の筋肉による自律神経の乱れは、交感神経を活発にしてしまい、やがて脈や呼吸は速くなり消化機能は抑制されます。
その結果、腸の動きが悪くなり、便秘状態になります。
また、ストレスによる腸内フローラの変化で腸の働きや水分分泌に影響を及ぼしてしまうことで便秘が起こります。
逆に、副交感神経の働きを良くすると腸を動かすぜんどう運動が促進し、便秘など腸の不調が解消します。
ストレートネックの改善方法
次に、自律神経を整えながらストレートネックを改善する方法をご紹介します。
主に、次のような改善方法があります。
- 温める
- 首周りのストレッチ
- 手技療法や電気治療
上記の方法を複合的に行うと、より効果が生まれます。
それぞれ詳細を確認していきましょう。
温める
ストレートネックで首や肩周りの筋肉が凝り固まっていると、触ってみてもわかるぐらいに冷えていることが多くあります。
凝り固まって冷えている首や肩周辺は血行不良が起こっているため、温めることで筋肉がほぐれていく効果があります。
また、自律神経が乱れているときはリラックスができていない状態のため、筋肉を温めることにより、心も落ち着いてリラックス効果が生まれます。
温める方法としては肩まで浸かって入浴したり、カイロやホットパックなどのアイテムを使うと良いです。
首周りのストレッチ
仕事や家事や勉強の合間に凝り固まった首周りをストレッチでほぐしていきましょう。
ストレートネックは、全身の動きをスムーズに連動させることが改善の近道になります。
そのため、首周りのストレッチの際には、ただ単に首を回したり上下左右に動かすのではなく、上半身も一緒に合わせて動かしてください。
なお、一人で体を動かしたりする場合は、治療院や整骨院、整体院など専門家の指導のもと、正しいフォームで行うことをおすすめします。
手技療法や電気治療
一人でセルフケアの時間が作れない方や、ストレートネックに関連する全身の筋肉を効率良く整えたい方には、手技療法や電気療法がおすすめです。
手技療法や電気療法は整体院などで受けられます。
施術者が整体やマッサージなどの手技療法を使いながら、ストレートネックで偏った筋肉のバランスを整えて、体の機能を向上してくれます。
また、手技療法と合わせて低周波など電気療法を行うと、さらなる相乗効果がでてきます。
電気療法では、気持ちの良い刺激でピンポイントてアプローチできるため、効率的に筋肉がほぐれていきます。
ストレートネックの改善方法については、以下の記事でも詳しく解説していますので、合わせてご確認ください。
【合わせて読みたい】
ストレートネックがもたらす不調とは?頭痛やメンタル面の不調などのストレートネックの症状から原因・改善方法を解説
ストレートネックの予防法
次に、簡単に行えるストレートネックの予防法についてご紹介します。
特に、下記の予防法がおすすめです。
- 日光を浴びながら散歩
- 筋トレ
- 整体で体のバランスを整える
上記の予防法は、合わせて行うとより効果的です。
日光を浴びながら散歩
ストレートネックと自律神経のバランスを両方整えることができるのが、散歩です。
特に、朝の散歩がおすすめです。朝、日光を浴びることで幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが脳内で作られます。
セロトニンは作られてから15時間ほど経つと、睡眠ホルモンのメラトニンへ変化します。
朝に日光を浴びて散歩することで、夜には自然と眠たくなるような体作りが自然にできるため、自律神経を整えるのに最適です。
また、散歩で足と腕を動かすことにより、全身の筋肉をまんべんなく使えるため、体の動きをスムーズにしてくれます。
筋トレ
ストレートネックの予防法につながる筋トレで、特に重点的に鍛えておきたいのは「胸鎖乳突筋」と「インナーマッスル」です。
胸鎖乳突筋は、首から肩にかけて伸びる筋肉で、ストレートネックでは常に緊張状態にあるため、日頃から動かしておく必要があります。
また、首を安定した状態にするには、首の前側にあるインナーマッスルを鍛えることも重要です。
次に、体力に自信のない方でも安心してできる、胸鎖乳突筋と首のインナーマッスルの鍛え方をご紹介します。
胸鎖乳突筋の鍛え方
次に、初心者でも簡単に胸鎖乳突筋を動かせる筋トレをご紹介します。
手順は以下の通りです。
①平らな場所に仰向けに寝る
②手を頭の後ろで組む
③あごを胸元に近づけるイメージで、頭を持ち上げる
④ゆっくりと元の位置へ戻す
また、胸鎖乳突筋の筋トレは、フェイスタオルを利用して負荷をかけることができます。
タオルを使うやり方は、以下の通りです。
①椅子に浅く腰かける
②タオルの両端を持つ
③タオルを首の後ろに回す
④タオルと床が平行になるまで腕を伸ばす
⑤ゆっくり息を吐きながらあごを上にあげる
⑥上がりきったところで5秒から10秒キープする
⑦ゆっくり目線を戻すようにあごを元の位置へ戻す
いずれも5〜10回繰り返し行います。
首のインナーマッスルの鍛え方
インナーマッスルは、重力に抗って姿勢を保つのに働く筋肉で、首の自然なアーチを整えるためにも重要です。
下記の方法で、首のインナーマッスルを鍛えられます。ゆっくり呼吸をしながら行いましょう。
①座った状態で行う
②両手の指先を顎にあてる
③手で補助しながら頭を床と平行移動するように真後ろに持っていく
④5秒間後ろに持っていった状態を保持する⑤下の位置に戻す
これを5〜10回繰り返し行います。
整体で体のバランスを整える
ストレートネックの予防法で特におすすめなのは、整体院などで整体を受けることです。
症状の悪化や病気では病院で治療を受けることができますが、予防で病院にはなかなか通わないものです。
しかし整体院では、つらい症状の根本的改善で通えるのはもちろん、ストレートネックにならないための体作りにも通えます。
主な方法は、ストレートネックの原因を骨盤のゆがみと考えて、日頃から重心のバランスを整える施術を行います。
また、日頃のクセや疲労を取り除いてくれるためストレートネックの予防を始め、疲労回復やリラックス効果も期待できます。
まとめ
今回はストレートネックと自律神経の関係性や自律神経の乱れによる症状や改善方法、予防法についてもお伝えしました。
ストレートネックを改善することで心身ともに健康でいられるように、症状に不安のある方は参考にしてみてください。
自律神経の乱れにつながるストレートネックは、早めの対処法が必要です。
もし、ストレートネックや自律神経系の症状でお悩みの方は、近くの病院や整体院など専門家に相談してみましょう。
月辰会活法整体院では、ストレートネックや自律神経に関するお悩みについて、患者様一人ひとりに丁寧なカウンセリングと専門的な施術を行っております。
これまでなかなか改善しなかったお悩みや身体の不調があれば、お気軽にご相談ください。
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