「突然背中に激痛を感じて息ができない」
「背中の筋肉が強く突っ張る」
上記に悩まされている方、その症状もしかしたら「ぎっくり背中」かも知れません。
疲れが溜まっている人や疲れやすい人は、知らず知らずのうちに、背中に筋肉疲労が蓄積されています。
背中の疲労蓄積が限界を達したとき、突然不意な動きなどで背中に異変を感じて起こしてしまう症状がぎっくり背中です。
ぎっくり背中は放っておくと再発してしまう可能性が高く、慢性的な肩こりにもつながるリスクがあります。
今回は、ぎっくり背中を発症した方や再発予防を目指す方に役立つ原因や対処法、さらには予防法について詳しく説明していきます。
また、最後には予防法としておすすめの背中ストレッチをご紹介します。
背中ストレッチは、背中の大きな筋肉である僧帽筋や脊柱起立筋を簡単にゆるめることができるため、ぎっくり背中の予防に効果的です。
ぜひ、最後までお読みいただき、ぎっくり背中の不安から解消される体を作りましょう。
Contents
ぎっくり背中とは?
ぎっくり背中は疾患名ではなく、正式には、筋筋膜性疼痛症候群(きんきんまくせいとうつうしょうこうぐん)と呼ばれる病気です。
発症箇所は、肩甲骨と肩甲骨の間や肩甲骨下から腰の上付近まで、幅広い範囲で起こります。
症状は、背中に急な痛みが走るのが特徴です。筋膜という背中を覆っている組織が破れてしまい、肉離れのような状態になります。
また、痛みの強さもさまざまです。軽い痛みを訴えるぐらいから動けなくなるほどの痛みまであり、多くは突然症状が表れます。
そのため、急にぎっくり背中になってしまった場合も慌てないように、事前に正しい対処法を知っておくことが賢明です。
さらに、ぎっくり背中の原因の多くは日常生活にあるため、日頃からのケアや予防意識を高めていきましょう。
ぎっくり背中の原因
次に、ぎっくり背中の日常生活で考えられる原因についてご説明します。
特に、縮こまった筋肉が急に引き伸ばされたときや、凝り固まった筋肉に急激な力が加わったときに発生しやすいのが特徴です。
日常生活でぎっくり背中が起こりやすい主な原因は、次のようなことが考えられます。
- 筋肉の緊張状態
- 運動不足
- 不良姿勢
- 肩甲骨の可動域制限
上記の要因が重なれば重なるほど、ぎっくり背中発症のリスクが高くなるため、注意が必要です。
筋肉の緊張状態
長時間のデスクワークやスマホの使い過ぎなど、同じ姿勢を続けていると、次第に肩や背中の筋肉が凝り固まってしまいます。
凝り固まった筋肉の緊張状態が続いて、突然強い力が背中に加わると危険です。
固まった筋肉が急激に引き伸ばされてしまい、椅子から立ち上がる瞬間などにぎっくり背中を発症します。
また、凝り固まった筋肉は柔軟性を失っています。
柔軟性を失った筋肉の繊維や筋膜が強い衝撃で裂けてしまい、長時間座っていて背伸びをした瞬間などにぎっくり背中として急激な痛みが表れます。
運動不足
運動不足により固くなって柔軟性を失った筋肉も、ぎっくり背中の原因になります。
筋肉はゴムのような性質をもっていて、引っ張ろうとすると、同時に元に戻ろうという力が働きます。
古くなった輪ゴムが切れやすくなるのと同様で、運動不足で柔軟性を失った筋肉も急な動きに対応できません。
そのため、くしゃみや咳をした瞬間など軽い力でもぎっくり背中を発症してしまいます。
不良姿勢
私たちの体は土台である骨盤から上に背骨や首の骨がつながっています。
そして、全体的に緩やかなS字カーブを描くことで、安定した姿勢を保っています。
しかし、猫背など背中が丸まった姿勢が身についてしまうと、体を支えるクッション役の椎間板に負担がかかり、体のバランスが崩れてしまいます。
背中の筋肉の疲れはなかなか意識的に気づきにくい点も多いのが現状です。
椎間板に負担がかかった状態は、布団からおもいっきり起き上がる瞬間など、突然起こる強い力によりぎっくり背中を発症させます。
肩甲骨の可動域制限
肩甲骨の周囲には、熱産生に重要な役割があり、脂肪燃焼を促進してくれる褐色脂肪細胞が多く集まっていると言われています。
そのため、肩甲骨の可動域が悪くなると血流が悪くなり筋肉が固まってしまい、ぎっくり背中を引き起こします。
特に、冷え性の人や慢性的肩こりの人は肩甲骨の動きが悪く血液循環が滞りやすい傾向です。
日頃から肩甲骨を動かす体操やストレッチを行うなどの対処法が必要になります。
ぎっくり背中の症状
ぎっくり背中は発症時期に合わせて、症状も異なります。
大きく分けて、次の2つの時期に大別されます。
・炎症期…発症直後から3日間ぐらい
・修復期…発症直後から3日後ぐらいで、少しずつ痛みが和らいでくる時期
以下、炎症期と修復期に分けて詳しく説明していきます。
炎症期
発症直後の症状は、以下のようなことが起こります。
- 背中に急激な痛みが走る
- 身体を傾けると痛い
- 大きく息を吸うと痛む
- 前かがみのときに痛みが出る
- 背中の筋肉が突っ張る
特徴は、発症直後から少しずつ痛みが増していき、寝返りをうつなど背中を動かす動作が困難になる場合があります。
また、就寝中に痛みで目が覚めてしまうこともあります。
一般的には炎症期が72時間と言われているため、症状を長引かせないためにも、特に炎症期の3日間は慎重な対処法が求められます。
修復期
通常、発症から3日後ぐらいからの修復期には、以下のような特徴があります。
- 体を軽く動かせる程度の痛みに落ち着く
- 背中に力が入るような動作は強い痛みが表れる場合がある
- 背中の筋肉に突っ張りが残る
- 就寝中に痛みで目覚めることがほとんどなくなる
なお、今までお伝えした炎症期と修復期の期間の説明は、軽度な症状の場合の経過となります。
重度の場合は体を動かせないほどの痛みが1週間程度続き、完全に痛みが取れるまで1ヶ月以上かかることも少なくありません。
また、痛む箇所や範囲もさまざまで片側だけが痛い場合や、腕や首まで痛みが広がる人も居ます。
ぎっくり背中の対処法
ぎっくり背中は症状がひどくなり広がると、回復までの期間が伸びてしまいます。
そうならないためにも、できる限り早く対処することが必要です。
次に、ぎっくり背中の対処法について、発症直後の炎症期と発症から数日後経った修復期に分けて、ご説明します。
炎症期
炎症期でまず大切なことは、患部を安静にすることです。
あまりに痛みがひどい場合は、すぐに病院で受診しましょう。
安静と病院への受診について詳しく説明していきます。
安静
発症直後の背中の筋肉は、筋繊維や筋膜が損傷して炎症を起こしている状態です。
炎症がこれ以上ひどくならないように保冷剤や冷湿布などを使って患部を冷やして、安静にしましょう。
また、大切になるのが姿勢です。寝るときに横になるときも、背中が一番楽な姿勢を見つけましょう。
さらに、就寝の際は横向きの状態で、膝を曲げて背中を軽く丸めた姿勢がおすすめです。
背中に負担をかけない楽な姿勢になります。
なお、痛みが激しい場合は除いて安静期間は長くても3日程度を目安にしましょう。
それ以降は、患部周辺の血行を良くするためにも、軽い運動を取り入れていきましょう。
病院
ぎっくり背中は症状がひどくなると、脳や脊髄などに悪影響を与えてしまう場合も考えられます。
また、脊椎や血管、膵臓の病気なども考えられるため、背中の痛みがひどい場合は病院で早期の受診をおすすめします。
なお、病院は整形外科で受診しましょう。
整形外科では、必要に応じてレントゲンなど精密検査を行い骨などへの影響があるかどうかがはっきりします。
例え骨に異常がなかったとしても、診てもらった後は安心につながります。
修復期
炎症期を過ぎても安静にしすぎると、筋肉や体の柔軟性が低下していくおそれがあります。
発症直後から3日後ぐらい(修復期)に、ぎっくり背中の痛みが引いてきたと感じたら、体を少しずつ動かしていきましょう。
下記の対処法が、修復期におすすめです。
- 運動療法
- 整体や鍼灸
なお、体を動かす際は少しずつゆっくり行いましょう。
運動療法
ある程度痛みが引いて体が動かせると感じたら、固まった筋肉をほぐしていく必要があります。
まずは、ゆっくり少しずつ背中を伸ばしていきましょう。
最初は、軽い背伸び程度で構いませんので、固くなった筋肉をゆっくり伸ばすイメージで行いましょう。
次に、体全体の可動域が広げるために、散歩や体操で、体全体を使う運動を取り入れていきましょう。
なお、負担なく体全体を大きく動かせる運動で、おすすめはラジオ体操です。
ラジオ体操を行う際も背中に痛みや引っかかりが強い場合は、無理はせずできる範囲で行いましょう。
また、患部を温めて血行を促進することで、体の機能改善につながります。
寝る前には、ゆっくりお風呂に浸って入浴後は、ストレッチなどで体全体をほぐしていきましょう。
整体や鍼灸
ぎっくり背中の炎症期が過ぎると、体の組織は修復に向かいます。
整体では、体の筋肉の組織修復を促すマッサージや体全体の自然治癒力を高める手技療法を施します。
また、関節の柔軟性を上げるためのストレッチなどを行いながら、体全体の筋肉バランスを整えます。
鍼灸の場合は、修復期に入ってから筋肉の痛みを和らげるための鍼灸治療や筋肉の組織修復を促すマイクロカレント療法などを通じて体の可動域や柔軟性を取り戻していきます。
全体的な筋肉バランスが整うと、スムーズな動きが体によみがえります。
その結果、患部の痛みや張りの緩和はもちろん、疲れが溜まりにくい体作りや姿勢も良くなり、再発防止につながります。
ぎっくり背中の防止法
ぎっくり背中は再発する確率が高いと言われています。
日頃から根本的原因になる部分を改善していき、再発予防に努めましょう。
次に、ぎっくり背中の再発防止に役立つ方法をご紹介します。
- 姿勢を正す
- 体を温める
- 背中ストレッチ
上記を総合的に行うことで、予防効果につながります。
姿勢を正す
背筋を伸ばした正しい姿勢を日頃から意識することが、ぎっくり背中の原因になる筋肉の疲労や緊張を防ぐことができます。
また、背筋を伸ばした姿勢を意識することで猫背予防にもつながります。
姿勢を正すには、体全体の筋肉をバランス良く使うことも必要です。
そのため、散歩やラジオ体操程度の運動など毎日少しずつ体を動かす習慣を身につけましょう。
体を温める
ぎっくり背中を引き起こす人は、肌寒い時期に増える傾向があります。
冬や朝方を始め、四季に関わらず冷え性の方は注意が必要です。
また、就寝中に冷えたりすると、体は体温を高めようとして筋肉を無意識に収縮させます。
収縮された筋肉が不意な動きで伸ばされることにより、ぎっくり背中を引き起こす要因になります。
冷え性の方はもちろん、食べ物や飲み物、着る服も含めて、体を常に暖かい状態に保っておくことを心がけましょう。
背中ストレッチ
ストレッチは筋肉を伸ばす目的があるため、縮んだ背中の筋肉をほぐすには最適です。
特に、長時間の立ち仕事やデスクワークなど同じ姿勢が続く場合は、休憩時間を利用してストレッチを行なうことが予防につながります。
次に、背中の大きな筋肉である「僧帽筋」と「脊柱起立筋」を伸ばすストレッチをご紹介します。
やり方は以下の通りです。
- 足を肩幅に開いて立ち、背筋を伸ばします。
- 背中側で両手の指を組み、手のひらを上に向けます。
- 肘を伸ばし、肩甲骨を寄せるイメージで両肩を背中へ寄せていきます。
- 次に、手を引き上げます。
- 痛くないところで腕を止めて、呼吸を止めずに10秒キープします。
- ゆっくりと息を吐きながら元に戻します。
- 同じ動作を2〜3回繰り返します。
必ず、ストレッチ中は背筋を伸ばした状態で行い、無理のない範囲で続けてください。
まとめ
今回は、ぎっくり背中の発生する原因とその対処法についてお伝えいたしました。
ぎっくり背中は筋肉が固まっている状態で不意な動作で起こりやすくなり、運動不足や悪い姿勢によって引き起こされやすくなります。
また、ぎっくり背中は炎症期と修復期の2つに分かれており、それぞれの期で起こる症状や対処法は異なります。
ぎっくり背中になってしまった場合は、炎症期にかけては安静にすることが重要です。修復期に入ってから、ストレッチや整体・鍼灸などの治療を行うようにしましょう。
ぎっくり背中による辛い症状でお困りの方は、一人で悩むことなく、近くの病院や整体院など専門家に相談してみましょう。
また、月辰会活法整体院ではぎっくり背中が起こった際の根本的原因から追求し、一人ひとりの症状やライフスタイルに合わせた施術を行っております。
炎症期や修復期など判断しづらい方も、根本原因からアプローチいたしますので、お気軽にご相談ください。
ぎっくり背中の改善なら「月辰会活法整体院」
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