肩こりは、厚生労働省の国民生活基礎調査では自覚症状の女性第1位、男性でも第2位に挙げられている国民的症状です。
肩こりの解消方法はネットや書籍でさまざまな情報があふれており、どれから手をつけて良いのか迷っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回、慢性的な肩こりでお悩みの方に効果的な次の5つの解消法をご紹介します。
- 温熱療法
- マッサージ
- 運動療法
- ストレッチ
- 病院や整体院
この記事では、上記5つの肩こり解消法の効果や種類、ポイントについて詳しく解説していきます。
こちらの記事をお読みいただき、いつまでも続くつらい肩こりから卒業できるように役立ててください。
Contents
肩こりが起こる原因
「肩を揉むと岩のように硬い」
「肩を回すとゴリゴリと音がなる」
というような肩こりを自覚している方は日本全国に多くいらっしゃいます。
まず、なぜ肩こりが起こるのか原因について説明します。
筋肉の緊張によるもの
首から肩の周辺には、多くの筋肉が密集しています。
これらは、頭や腕を支えるための役割を果たしており、立っているだけでも常に緊張状態にあります。
この緊張状態が続くことによって筋肉の疲労を引き起こし、疲労物質がたまることによって筋肉が硬くなっていきます。
筋肉が硬くなると、筋肉が血管を圧迫し血液の循環を阻害したり、末梢神経を傷つけることによってこりや痛みをもたらします。
- 長時間同じ姿勢を取っていること
- 姿勢の悪い状態を長時間続けていること
- 体のバランスが崩れる習慣がある(常にかばんを片方で持つなど)
- 体が冷えている
これらのように、緊張状態を与え続けることがこりを引き起こす原因となっています。
加齢によるもの
人間は、重い頭や腕を支えながら二足歩行が出来るように、背骨がS字カーブを描いています。
背骨の間には、衝撃をやわらげるための脊椎版があり、これがクッションの役割を果たしています。
この椎間板が年を経るごとにつぶれて硬くなると、首や肩の痛みを引き起こしたり、こりの原因となる場合もあります。
主に40歳ごろから症状が見られると言われています。
肩こり解消法① 温熱療法
慢性的な肩こりの多くの原因は、血行不良による筋肉の緊張です。
そのため、温熱療法は肩こりのつらい症状を鎮める効果が期待できます。
温熱療法の効果や種類、ポイントについて確認していきましょう。
温熱療法の効果
温熱療法の効果は、さまざまな方法で患部に熱を加えていくことにより、血行を促進していきます。
その結果、筋肉の緊張が緩和されて、コリや痛みが鎮まります。
主な温熱療法による肩こりの効果としては、次のようなものが挙げられます。
- 基礎代謝の向上
- 血管拡張作用
- 柔軟性の向上
- リラックス
それぞれ詳細について、確認していきましょう。
基礎代謝の向上
基礎代謝と、体温は深い関係にあります。
体温が1℃上がると基礎代謝量が13%も増加すると言われています。
代謝が良くなるとリンパや血液の流れが良くなり、肩こりの改善に役立ちます。
参考:基礎代謝について(厚生労働省の運動の基礎科学「運動と健康のかかわり」参照)
血管拡張作用
筋肉の緊張状態が続くと、血管が収縮してしまいます。
温熱療法で血管を拡張させることにより、血流を促進されて肩こりを緩和していきます。
柔軟性の向上
肩こりによる血行不良は、筋肉だけではなく肩周辺の腱や靭帯などの組織の柔軟性も失います。
温熱療法で柔軟性を高めることにより、肩こり改善とともに、体がスムーズに動けるようになります。
リラックス
肩こりのように体が緊張している状態では、自律神経のバランスも崩れてしまいます。
すると、活動時に優位になる交感神経が活発になり、リラックス時や寝ているときに働く副交感神経の働きを妨げます。
温熱療法で自律神経を整えることで副交感神経の働きを促進させ、心身ともにリラックス状態になり、肩こりの緊張が和らいでいきます。
温熱療法の種類
次に、温熱療法の種類について紹介します。
主に、下記のような方法があります。
・ホットパック
・入浴
・カイロ
それぞれの特徴について確認していきましょう。
ホットパック
ホットパックは温熱療法のなかでも、病院で多く普及している方法です。
ホットパックで患部を覆うことによって、その部位の組織を加温します。
ホットパックは市販でも売られており、肩に乗せるタイプや背中に回して肩甲骨に当てるタイプなどがあります。
特におすすめは、ホットパックで肩甲骨と肩甲骨の間を温めることです。
肩甲骨の間には太い血管が走っているため、温めているうちに、上半身全体の血行が改善されて肩こりの改善が期待できます。
入浴
温熱療法のなかでも、日常生活ですぐに実践しやすいのが入浴です。
40℃のお湯に10〜15分入浴しましょう。
体が芯まで温められて、全身の血行が良くなります。
また、お湯に浸かりながら肩周辺を動かすのも良いでしょう。関節の可動域改善につながります。
カイロ
仕事や勉強など外出時に便利なのが、カイロです。
おすすめは、カイロを肩に直接貼るのではなく、肩甲骨の上に貼りましょう。
なぜなら肩こりになると、肩甲骨の動きが悪くなってしまうからです。
肩甲骨周辺の筋肉を温めることで血行が促進されて、肩甲骨の動きを高めてくれます。
その結果、肩こり解消へとつながります。
温熱療法のポイントと注意点
温熱療法について紹介してきましたが、次に温熱療法を取り入れる際のポイントや注意点をお伝えします。
温熱療法はどんな症状でも導入すれば良いものではなく、日常的に抱えている慢性的な肩こりの際に取り入れることで高い効果を発揮します。
現在抱えている症状が慢性的かどうかを判断したうえで取り入れることがポイントとなります。
一方で、急性の肩こりには温熱療法ではなく、アイスパックなどを使った寒冷療法が効果的です。
どちらで対処するべきかを迷った際は、入浴の際に患部のコリや痛みが和らぐかどうかを見て判断してみてください。
また、急性の肩こりの症状は、患部が熱を持っていたり赤く腫れているかも目安となります。
肩こりの解消法② マッサージ
マッサージは正しいやり方で行うことが、肩こりの解消法になります。
一方で誤った方法で行ってしまうと、悪化するおそれもあります。
マッサージの効果や種類、ポイントや注意点をお伝えします。
正しいマッサージ方法を覚えて、肩こりの解消に努めていきましょう。
マッサージの効果
肩こりに関連する首や肩、肩甲骨付近を優しくマッサージすることで、血行が促進されて筋肉の緊張がほぐれます。
マッサージの基本となる手技には、次のような方法があります。
・軽擦法(けいさつほう)
・揉捏法(じゅうねつほう)
・指圧法
・振せん法
・叩打法(こうだほう)
このなかで、セルフマッサージで良く使われるのは軽擦法や揉捏法、そして指圧法です。
軽擦法は体に負担がなく、肩こり解消につながる血行促進に役立ちます。
揉捏法や指圧法は、一人で行う場合は力の入れ具合に注意することが大切です。
マッサージの種類
次に、マッサージの種類についてご紹介します。
さまざまなマッサージの種類がありますが、
主に、下記の3つを紹介をします。
どれもが一人で気軽に行いやすく、効果的な方法です。
・リンパマッサージ
・電気治療器
・ツボ押し
それぞれのポイントを確認していきましょう。
リンパマッサージ
体内に老廃物が溜まると、リンパの流れが悪くなります。
やがて、老廃物が発痛物質に変化して、肩こりにつながります。
また、体内のリンパが流れるリンパ管が通る場所にいくつかのリンパ節があります。
リンパ節は老廃物のフィルター装着と言われており、リンパ節が詰まってしまうと体液の循環が悪くなり、肩こりを引き起こします。
なかでも、次のリンパ節がある箇所の働きは、肩こりと大きく関係します。
・鎖骨
・脇の下
・耳の後ろ
上記の付近に軽擦法で、優しく手を当ててマッサージを行いましょう。
電気療法
人間の神経や筋肉は、電気的な刺激に反応する性質があります。
刺激に反応する性質を利用して、患部の痛みやコリを治療するのが、電気療法です。
電気療法で使われる電気治療器は、皮膚の表面から電流を流して、肩こりの患部に直接刺激を与えることで血行を良くしていきます。
なお、家庭用の代表的な電気治療器は、低周波治療器で、周波数1,200Hz以下の電流を流して、肩こりの気になる箇所をケアしていきます。
ツボ押し
病院で行われる手術は西洋医学になります。
また、手技療法で人間の持つ自然治癒力を高める方法は東洋医学です。
東洋医学の考え方では、気は生命エネルギーとも言われており、私たちの生命活動を正しく維持するために重要とされています。
気の流れの途中にあるのが、ツボです
ツボによる体調改善は決して迷信ではなく、医学的に証明されている効果なのです。
2006年にはWHO(世界保健機関)が、ツボの位置と数に関して世界基準を設けています。
次に挙げられるツボは、肩こり改善に効果が期待できます。
・合谷(ごうこく)
→手の甲側の親指と人差し指の間のくぼみの部分
・手三里(てさんり)
→前腕の外側にあります。肘を曲げたときにできる、腕の外側のしわから指3本のところ
・臀臑(ひじゅ)
→肩の骨が出っ張っている部分から少し下
ご自身でもすぐに試せる方法ですので、是非参考にしてみてください。
マッサージのポイントや注意点
マッサージの注意点は、強く押し過ぎるとリンパを破壊してしまうおそれがあるため気をつけましょう。
また、長時間同じ箇所をマッサージすることで、逆に痛みが出るケースもあるため、各箇所数分程度に留めておきましょう。
なお、マッサージによる肩こり解消効果は、あくまで対処療法になり、一時的なものです。
根本的治療には、総合的な改善方法が必要になります。
肩こりの解消法③ 運動療法
運動によって、肩のコリや痛みを緩和する方法を、運動療法と言います。
運動療法は、温熱療法やマッサージとは異なり、動きのなかで血行を促し、筋肉や関節の働きを高めていきます。
運動療法の効果や種類、注意ポイントなどを確認していきましょう。
運動療法の効果
肩こりに対する運動療法は、次のような効果が期待できます。
・肩周辺の筋肉がほぐれる
・肩関節の可動域拡大
・肩の血行不良改善
・運動機能回復
その他、肩こりの原因の一つであるストレスの緩和にもつながります。
強いストレスがかかると、体の働きを調整する自律神経のバランスが崩れてしまい、血行障害を引き起こします。
ストレス解消にも役立つ適度な運動を、毎日の生活習慣に取り入れていきましょう。
運動療法の種類
次に、肩こり解消につながる運動療法の種類と、おすすめの運動をご紹介します。
主な運動療法は、次の3つになります。
・有酸素運動
・無酸素運動
・筋力トレーニング
それぞれの特徴や効果を見ていきましょう。
有酸素運動
肩こりの解消には、酸素を取り込みながら行う有酸素運動が適しています。
有酸素運動を行うことで血流が促され、体の末端まで酸素や栄養が循環しやすくなります。
おすすめの有酸素運動は散歩です。目標は20分以上で、最初はゆっくり歩きながら少しずつ早歩きをしていきましょう。
すると、体全体の筋肉や関節に連動性ができるため、肩にかかる負担が解消されます。
無酸素運動
有酸素運動とは逆に、短時間に強い力を発揮する運動を、無酸素運動と言います。
肩こりの症状が出ている際、体の重心が変化して姿勢も崩れてしまいます。
スクワットや腕立て伏せ、腹筋などの無酸素運動を行うと、正しい姿勢を維持するための筋肉が鍛えられて姿勢が良くなります。
姿勢が良くなると筋肉のバランスがよくなり、肩こり解消につながります。
筋力トレーニング
デスクワークやスマホの使いすぎにより、首から肩にかけて筋肉が凝り固まったり、弱くなっている場合があります。
そのため、首から肩にかけた筋肉を鍛えることによって、肩こりを解消することが可能です。
また、肩甲骨周辺の筋肉を鍛えてあげるのも効果的です。
運動療法のポイントや注意点
運動療法の注意点は、最初から無理をしないように行うことです。
過度の運動を行うと、逆に肩こりを悪化させる可能性があります。
また、体力に自信がない方や日頃から体を動かしていない方は注意しましょう。
急に体を動かしてしまうと、首や肩に大きな負担をかけてしまいます。
運動は徐々に行い、始める前には必ずウォーミングアップを行いましょう。
肩こりの解消法④ ストレッチ
次に、肩こり解消につながるストレッチをご紹介します。
ストレッチは仕事や勉強、家事の合間など、毎日少しずつ行う習慣を身につけることが大切です。
ストレッチの効果
ストレッチをすることで、凝り固まって縮んだ肩まわりの筋肉をほぐしていきます。
筋肉がほぐれると血行が良くなり、関節の可動域も改善されていきます。
ただし、ストレッチによって肩こりが根本的に解決するわけではなく対処療法になります。
根本的治療につながる方法を実践していきながら、ストレッチを行うことで肩こり改善が期待できます。
ストレッチの種類
ストレッチは数多くありますが、そのなかでも肩こり解消に効果的な「肩甲骨はがし」を立位と座位で行う方法をご紹介します。
肩甲骨は肩関節を構成する重要な骨の一つです。 また、肩甲骨は肩関節の可動域を良くする役割があります。
肩こりのある人の多くは、肩甲骨がガチガチに固まっています。
肩甲骨には多くの筋肉がついているため、肩甲骨の動きが制限されると、付随している筋肉まで動かなくなって硬直してしまいます。
肩甲骨はがしのストレッチで、肩甲骨の可動域改善を図りましょう。
肩甲骨はがしとは?
肩甲骨はがしとは、肩甲骨をはがすと言うより、肩甲骨周りにある筋肉をほぐしていきながら、肩甲骨本来の動きを取り戻します。
肩甲骨はがしで、さまざまな方向に肩甲骨を動かしていくことで、直接揉みほぐすのが難しい箇所の筋肉の動きまで向上します。
また、肩甲骨はがしは筋肉の柔軟性や血流の改善が期待できて体のバランスが整うことで、姿勢改善にもつながります。
肩甲骨はがしストレッチのやり方<立位バージョン>
次に、肩甲骨はがしの立って行う方法をご紹介します。やり方は以下の通りです。
①立った状態で、両肘を曲げる
②両肘を曲げたまま脇を開くように腕を肩より高い位置まで上げていく
③肩甲骨を背中の真ん中に寄せるように息を吐きながら、ゆっくり肘を後ろに引いていく
※肘は最初の高さからできるだけ下げないように注意します。
④肩甲骨を寄せたまま、両肘を下げて腕を下ろしていく
肩甲骨はがしストレッチのやり方<座位バージョン>
次に、肩甲骨はがしの座って行うやり方をご紹介します。やり方は以下の通りです。
①両肘ともに90度に曲げた状態で腕を肩の高さまで上げて、顔の前で合わせる
②腕を上げたままで、肩甲骨を真ん中に寄せるように後ろにゆっくり引く
③頭の上で両手の甲がくっつくように、ゆっくり腕を上げて伸ばしていく
④ゆっくり腕を下ろして②の状態で止める
⑤①の状態まで戻す
ストレッチのポイントや注意点
ストレッチは肩こり改善に効果的ですが、注意ポイントも多くあります。
次のような場合は、ストレッチを控えましょう。
・関節周囲に熱感がある
・肩に痛みや腫れがある
・手先や腕にかけてしびれがある
・骨折直後や骨折治療中
・筋肉や腱の断裂がある
・四十肩や五十肩になった直後
また、ストレッチは気持ちの良い範囲で行うことを心がけましょう。
肩こりの解消法⑤ 病院や整体院
肩こりの症状には、病気が隠されている場合があります。
あまりにもひどい肩こりは、ご自身で判断することなく、一度病院で受診してみましょう。
また、病院で特に異常が見つからなかった場合は、肩こりの専門的治療ができる整体院で相談してみましょう。
病院
肩こりは、頚椎椎間板ヘルニアやリウマチなどの疾患が隠されていることがあります。
そのため、激痛を伴う肩こりや、腕や手のしびれを伴うなど、明らかに肩こりの症状を逸脱している場合は病院に相談しましょう。
病院では、医師による診断により、疾患に応じた治療法が受けられます。
例を挙げると、筋弛緩剤や鎮痛消炎剤などの薬剤を使用したり、肩こりを起こしている部分の筋肉に局所麻酔剤を注射する治療法があります。
なお、病院で行う治療法は、根本的治療と言うよりも痛みを止める対処療法になります。
整体院
肩こりの根本的治療につなげるには、骨盤の歪みや筋力やホルモンバランスを整える必要があります。
病院で異常が見つからない場合は、整体院で骨盤矯正やマッサージなどで体全体のバランスを整えることをおすすめします。
一人ではなかなかできない骨盤の歪みを矯正したり、偏った働きの筋力バランスを整体で調整することにより、肩にかかる負担を減らしていきます。
体のバランスが整うと、全体の機能が向上するため、次第に肩こりが解消していきます。
姿勢を正しく意識する
肩こりを緩和させるには、日々の正しい姿勢を意識することが大切です。
不良姿勢は、背中が常に張った状態になり、首の筋肉は硬直して血行が悪くなります。
日頃から正しい姿勢を意識しましょう。
正しい姿勢とは立った際には、横から見たときに、外くるぶし→膝横→お尻の横の骨→肩→耳のラインが、縦一直線に並ぶ状態です。
また、正しい座り姿勢とは椅子に深く腰掛けて骨盤を立てます。その上、足を地面にぴったりとつけて座った状態です。
まとめ
多くの人が悩まされている肩こりについての原因と解消法ついて解説してきました。
血行不良による筋肉の緊張が原因で起こっているものや、加齢が原因によるものなど、肩こりの原因は一人ひとり異なります。
ご紹介した肩こりの解消法から自分に合った手法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
ただ、肩こりの中には病気が隠れている場合があります。
もし、つらい肩こり症状がある場合は、一人で悩むことなく、まずは近くの病院や整体院など専門家に相談してみましょう。
当治療院では肩こりのつらい症状に対し、患者様の普段の体の使い方から根本原因を探り、背骨や骨盤を調整と再発防止のための正しい体の使い方を指導しております。
つらい肩こりの症状にお悩みの方は、是非一度ご相談ください。
つらい肩こりの痛み解消の治療院「月辰会活法整体」のアクセス情報
- 月辰会活法整体院
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